こんにちは、ゲンキです。
自分で読んでよかったと思う書籍を紹介します。株式投資を始めて、1ヶ月程たってから読んだ本です。
その名も ピーターリンチの『株で勝つ』 です。
昔の本で、今では当たり前になっていたり、ちょっと時代錯誤かな?なんて思うかもしれませんが、株式投資の本質を知る為には、大変参考になる本です。
特にファンダメンタル分析で、中長期での投資を行う方には特に参考になるので是非、読んでください。
では、要点を書きますんで、おもしろそう、参考にしてみようと思った方は、どうぞ読んでみてください。
目次
株式投資におけるアマチュアの強み
プロでないアマチュアがどうすれば勝てるのかがこの本には書いてあります。一言でいえば、アマチュアなりの視点を持ち、自分で選ぶことがアマチュアの強みってことです。
『アマチュアの君が生活している中に、大きく上がる銘柄が隠れている。普段生活をしながら、買い物をしている中で自然とテンバガーになるような銘柄を選んで、買い物をおこなっていることが往々にある。』
『この商品いいなー。このサービスはお得だなー。これを使うと便利だなー』っと感じると家族や友達に『これいいよ!』って、お勧めしたりしていませんか?
このような視点に気付いて、投資することが大事であると本書は言ってます。
このような視点では、機関投資家より断然、実際にモノやサービスに触れて感じている消費者に有利性があるってことですね。
日々の生活の中に銘柄は隠れています。実際に、さがしてみましょう。日々の生活の視点が変わると面白い発見があるはずです。
株で成功する資質があるか
資質として出てくるのが、『忍耐強さ、自主性、常識、苦痛についての耐久力、こだわりのない自由な思考力、利害に対して超然としていられる強さ、根気、謙虚さ、柔軟性、独自の調査する意欲、失敗を認める強さ、パニックを無視する力などである』(P. 91参照)と言っています。
読んでいるときは、ふぅーんって思ってましたが、投資を始めて約3年たつ今、再度読み直すと『なるほど、確かに、あの時はこの力が足りなかった。』って思うことが多々あります。
そして、こんなことも書かれてます。『IQとしては、たぶん下から10%以上でかつ上から3%以下の範囲なら問題ない。本当の天才は得てして理論的すぎてだめだろう。』と言っています。
頭の良し悪しは、あんまり関係ないってことですね。だから、投資は誰でも実践可能です。自分の性格を把握して、どのような投資を心掛けるかが大切になってきます。
自分に合った、投資を心掛けましょう。
株式相場とは何か
『株式相場は、全くもって不合理な動きをするものである。このことさえ理解してもらえれば、この本は成功だったといっても過言でない。』と書いてあります。
それほど、理解しようとしても理解の範疇を超えて、不合理な動きをするものが株式投資であると覚えておくのが大切です。これ、ホントに重要な事なので!
実際に投資をやると、みんなこんな言葉を口にしますから・・・・
『私が買ったら、下がって、売ると上がる。なんで?』
かの有名なウォーレン・バフェットもこのように言っています。
『私に関する限り、株式市場は存在しないも同然であり、あれは誰かが愚かなことをするチャンスを与えている場に過ぎない』って。
このように、予測不可能なのが相場です。ですから、こうすれば必ず勝てるなどの広告は、怪しいってことが分かれば詐欺にも合わないので、しっかりと心に刻みましょう。
株式に絶対は、ありませんから。怪しい勧誘には、ご注意ください。
もう一度いいますね。『株式相場は、不合理な動きをするものである。』 肝に銘じましょう!
10倍株(テンバガー)をねらえ
テンバガーとは、株をやっているものならば誰しもつかみたい銘柄ですね。テンバガーとは、10倍上がる株のことを言います。
テンバガーを見つけるには、まず自分の家の近くから始めることだと言ってます。これは、普段の生活の中に成長性のある企業はあり、自然とその企業が生み出す製品・サービスなどを使っているということを言っているんですね。
『これいいなー』と感じたとき、企業を調べ・成長性を確かめ株を買うことが出来れば、テンバガー獲得のチャンスはみんなにあるということです。
また、こんな例も分かりやすく書かれてました。
田舎暮らしで胃が痛くなり、医者にも行けない場合、あなたは薬局で胃薬をつくっている会社と出会うことになる。患者として薬をみるのか、投資家として薬をみるのかでは、ことが代わってくる。
患者にとって良い薬とは、一度使えば完治してしまう薬であるが、投資家にとっては、患者が使い続けなければならない薬ということになります。
一例であるが、このようなことに気づくかどうかで、夢のテンバガーをつかめるかにかかっているのでしょう。
ストレスを多く抱えるウォール街のプロたちも、この胃薬の会社に気付いたはずです。それを買えばよかっただけなのにと、プロの陥る話がまた、おもしろいですね。この例は、素人(アマチュア)の強みとなる例ですね。
コロナ禍において、衛生管理が徹底されるようになり、消毒やマスクが習慣化しましたね。習慣化するということは、ずっと今後も使い続けるということです。使い続けることは、売上が安定的に作れることになります。
このように、身の回りの物を見るとどの企業が今後も儲けて、大きな成長をしていくのかが想像できると思います。これを考えるのが投資をするには大切な思考なのでしょう。
ついに見つけたぞ!
株を始じめて、銘柄選定をしている方なら誰しもあるんでは、ないでしょうか?
『ついに見つけたぞ!』って、ビビッと感じて「この企業だ!」って宝物を見つけたことが。しかし、これは手がかりを見つけただけに過ぎません。
すぐに飛びつき、買ってしまうことをこのように表現してます。
『調査なしの投資は、カードを見ずにポーカーをするようなものだ。』なるほど。分かりやすいですね。
では、銘柄選定において知っておくべき、6つ一般的な分類があるそうです。それは、低成長株、優良株、急成長株、市場関連株、業績回復株、資産株の6つ。
それでは、6つの分類のポイントをおさえていきます。
低成長株
そのなのとおり、成長が低い株。このような株を買うのは、配当金を得いるのが目的になります。だから、常に配当金が払われているか、増配が定期的に行われているかを入念に調べることが大切です。できれば、収益の何%が配当として支払われているか数字を見ることが望ましいです。これは、配当性向を確かめることになります。もし、比率が低いのであれば、景気の悪化にも耐えうる余裕を持っており、収益が減っても配当を維持できることになります。高い配当性向の会社は、配当継続に関してより高いリスクとなることを覚えておきましょう。
優良株
優良株とは、一言でいえば、大手企業のことです。ここで最も重要なのは株価で、PERを調べることにより割高かどうかを判断することができます。また、将来、収益減を招くような多角化ならぬ多悪化の可能性があるかどうかを調べることも重要となります。長期的な成長率と同じ業況を保っているかどうかも調べる必要があります。過去の不況や市場の低迷をいかにして乗り切ったかを調べることが長期保有をするためには重要な項目になるので、是非調べてみましょう。
急成長株
会社の売上・利益が急成長している企業になります。グロース株と呼ばれるものです。急成長株を選定するうえで必要なことをまとめますね。①会社に利益をもたらすとされる商品が、その会社にとって主力商品であるかを調べる必要がある。②最近の収益の成長率はどうなのか?20%~25%あたりが好ましい。25%以上の会社については、警戒が必要である。③拡大の余地があるかどうか。成功した事業を展開した場合、拡大戦略が有効かどうか考える。④株価が成長率にふさわしい水準となっているかどうか。⑤拡大のスピードが上がっているか、下降しているか。⑥機関投資家の持ち株比率が小さく、アナリストもほとんど関心を寄せていなかったような会社が急上昇の展開をしているならば、超有望である。
市況関連株
市場の動向により業績が左右されやすい市況関連業種がこれにあたります。自動車産業などは、いい例になります。どのような点を見ればいいか記述していきますね。①在庫及び需給関係について注意深く見守る必要がある。②景気回復にもかかわらず、PERが低下することも覚悟しなければならない。利益がピークに達したときには、景気循環の最終期に差し掛かっていると考えなければならない。市況に連動するので、景気がピークのときは、今後は下るということになるからです。景気循環がある産業に関しては、このような点を注意して株を買い、保有する必要がでてきます。
業績回復株
業績回復株で重要なことは、債権者からの攻勢に耐えられるかどうかということです。現金がどれくらいあり、負債の額がどうかということも重要になります。倒産することなく赤字のままでどれくらい持ちこたえられるか。もし、倒産したとしても、何が株主のものとして残るのかも考えなければなりません。コロナ禍での例であれば、航空株なんかが当てはまりますね。業績を回復させるために、どのような方法で回復させようとしているのかもポイントとなります。また、そのビジネスが活気を取り戻すタイミングを見ることも重要となります。会社内部に目を向けると、回復の為に経費削減をおこなっているか。そして、その効果はどの程度かを判断するといいでしょう。市場の動向と会社内部の改革を見る目が必要となりますね。
資産株
資産株のポイントは、以下の通りです。①資産の価値はどれくらいか。含み資産は存在するのか。②資産から差し引かれた負債はどの程度あるか。③会社が新しい負債を抱え込んで資産価値を小さくしていないか。
完璧な株とは?
完璧な株とはなんだろうか?
そんな株は、わからないが、『どんな馬鹿でも経営できる』というのは、完璧な会社を示す一つの特製であると言っています。
このような、完璧な株を見つけられないとしても、そのような特性のある株を想定することはできると言っており、投資対象の選別にあたり重要な13項目を挙げています。
①面白みのない、または馬鹿げている社名②代り映えしない業務③感心しない業種④分離独立した会社⑤機関投資家が保有せず、アナリストがフォローしない会社⑥悪い噂の出ている会社⑦気の滅入る会社⑧無成長産業であること⑨ニッチ産業であること⑩買い続けねばならない商品⑪テクノロジーを使う側であること⑫インサイダーたちが買う株⑬自社株買い戻し
以上が、13項目になりますが、中身は実際に本を読んで詳細を学んでほしいです。今の時代にそぐわないんじゃないかと思う点もあるかもしれませんが、実際に相場にいるとなるほど。こういう会社がこの項目に当てはまる会社か!って思うことが多々でてきます。
企業の本質・株式相場の動きは、基本、昔も今もかわらないんだろなぁーって感じますね。
完璧な株をさがすのは、難しいですが、上がる可能性がある特性のある企業を想定することは可能かもしれませんね。
避ける株
ここで私がなにより避けたいのは、『超人気産業のなかの超人気会社である。』と言ってます。なんで?って思われるかもしれませんが、誰もが知っているような人気化した株は、急騰するが、夢を追っているだけなので、急落するってことを述べてます。
急騰する前に買って、急落する前に売ればいいじゃんって思いますが、なかなかそれができないのが株式投資です。前にも記したように、株式相場というものは不合理な動きをするものだからです。
その他に避ける者も記しておきますね。
・第二の何々にはご用心
・耳打ち株にご用心
・下請け会社にはご用心
・名前のよい会社にもご用心
みなさま、投資は自己判断で自己責任です。ご用心を!
収益、収益、そして収益
収益の大切さが書かれてます。収益なくては、企業の存続はない。では、何を基準にして株価が上がると言えるのか。買うとしてもいくらで、買えばよいのか。それは、その会社がどのくらいの値打ちがあるか、そして、明日は、今日よりどれくらいその値打ちが上がるかということである。重要なのは、収益と試算であり、特に収益である。
こんなに、収益・収益っていうことは、大切なんだってわかると思います。収益が出なければ、企業は存続できず、新たな商品・サービスを生み出すこともできません。そうなれば、企業価値は上がらず、株価も上がらないということになるのです。
株とは、宝くじではなく、ある会社の部分所有権だということを忘れてしまいがちになります。
収益について本気で議論しようとなると株価収益率(PER)について話す必要があります。PERとは、株価と収益の関係を数字で表現したものです。PER= 株価÷1株純利益で計算されて、数値が高いほど割高。低いほど割安となります。
PERに関しては、長くなるので本書を読んでしっかり勉強していただきたいと思います。自分で、読んで学ぶことをお勧めします。
事実を手に入れる
あなたが投資する会社の事実を知る方法として、IR(インベスター・リレーションズ)にある決算報告書・決算短信・目論見書・年次報告書などがあるので、読んでみましょう。
また、会社に連絡してみるのも手です。IR担当へ質問を考えてしてみましょう。直積的な質問だと担当者も困ってしまうし、こいつはバカなのかと思われます。直積的でない微妙な言い回しを心掛けて、今後の成長性や利益水準等を質問すると担当も的確に答えてくれるかもしれません。それは、まぎれもない事実を手に入れることになります。
実地検証をするのも一つの手です。例えば、勢いのある外食店があれば、実際に食べに行って、美味しさ・接客・商品のコスパ・お店の回転率など直に感じることができ、事実を得ることができます。このような実地検証は、すぐにでも実施することができるのでやってみましょう。
実際に、商品を購入したりサービスを受けたりして、その会社の価値を判断する材料にしてみてください。それが、会社・株価の事実を手に入れることになります。
是非、頭だけで考えずに行動してみてください。
最終チェックリスト
これまで述べてきた方法で、調査を行うとしても1社につい2~3時間費やすことになります。
以下は、6つのカテゴリーの株についてのチェックリストです。抜粋するので、参考にしてもらえれば幸いです。
【株式全般について】
①PERは、当の会社として高いか低いか。同業他社と比べてどうか。
②機関投資家の持ち株比率はどうか。低ければ低いほどよい。
③インサイダー(内部者)が買っているか。その会社自体が自社株の買い戻しをおこなっているか。
④今までの最高の利益はどのくらいか。その利益の上昇は、偶発的なものか、安定的なものか。
⑤会社の貸借対照表は、負債資本比率から見て健全かどうか。財務面の強さはどうか。
⑥流動資産比率はどうか。
【低成長株】
●このような株は、配当目的。配当が常に支払われているか、増配が定期的に行われているか調べる。
【優良株】
●これらの会社は、廃業の可能性の少ない大手企業である。最も重要なのは株価で、PERを調べることにより割高かどうかが分かる。
●長期的な成長率と同じ業況を最近保っているかどうか調べる。
【市場関連株】
●在庫および需給関係について注意深く見守る必要がある。
●景気回復に関わらず、PERが低下することも覚悟しなければならない。
●身近な市況商品について知っているならば、市況関連業種についてのりかいに有利となる(例えば、自動車産業には景気循環がある。3~4年の下降期の後には、3~4年の上昇期があることになるなど)
【急成長株】
●会社に利益をもたらすとされている商品が、その会社にとって主要商品であるかどうかを調べる必要がある。
●最近の収益の成長率はどうか(20~25%の範囲が好ましいと思っている)
●成功した事業を1つ以上の都市や町に拡大展開したとしたら、その拡大戦略が有効か考えてみる。拡大の余地があるかどうか。
●株価が成長率にふさわしい水準になっているかどうか。
●拡大のスピードがあがっているか、下降しているか。
【業績回復株】
●最も重要なことは、債権者からの攻勢に耐えられるかどうか。現金がどれくらいあり、負債額はどうか。
●もし倒産したとしても、何が株主として残るか。
●どのような方法で業績を回復させようと強いるのか。
●そのビジネスが活気を取り戻しつつあるのか。
●経費の削減は行われているかどうか。もしそうならばその効果はどの程度か。
【資産株】
●資産の価値はどれくらいか。含み資産は存在するか。
●資産から差し引かれる負債はどの程度あるか。
●会社が新しい負債を抱え込んで資産価値を小さくしていないかどうか。
●資産の含み益を株主に獲得させるきっかけをつくるような乗っ取り屋が関係してないか。
ポートフォリオをつくる
以上のような情報を基に、株を選定した後は、自分のポートフォリオをつくることになる。
自分のポートフォリオをどのように作るかは、あなたがどんなスタンスで相場に向かうかによる。
ローリスク・ローリターンの人、ハイリスク・ハイリターンの人では、ポートフォリオの作り方は、各々違ってくるはずです。
前述で書いた6つの株の分類をきちんと理解して、自分の投資戦略をはっきりさせて自分に合ったものを作る必要があります。
分散投資、集中投資それぞれのメリット・デメリットがあるので、しっかり自分の資産と向き合い投資手法をきめて、ポートフォリオを形成しすのがよいですね。
大まかな内容がこれを読んでいただければわかると思います。この本は、個人投資家が株式投資で勝つためには、どうするべきかを書いた本です。個人投資家がどうすればプロの機関投資家をだしぬき、利益をだすことができるのかが書かれています。
また、株式投資の本質みたいなこともこの本で学べます。株式相場に向かううえで特に、株をはじめて日が浅い人には読んでもらいたいと思います。私もこの本に、何度も精神的に助けられたことがあります。あの暴落のときこの判断ができたのは、本書を読んでいたことは、大きく影響しています。株式投資を理解することが、中長期で勝つ一つの戦略なのかもれません。
みなさんの株式投資の基礎をまなぶ本として是非、読んでみてください。